近年富良野地方ではエゾシカ個体群の激増により主に夜間~早朝の交通事故が相次いでおり、農林業被害と同様に大きな問題となっています。一見すると人間だけが被害者であるかのように思いがちですが、問題を根本から見つめ直すと、事故発生には人為的な要因も多々あり、野生動物あるいは生態系にも大きなダメージを与えています。
こうした状況から、地域住民並びに観光客の交通安全に役立てていただくのはもちろんのこと、野生動物の交通事故死減少を図ることを目的に、北海道開発局旭川開発建設部富良野道路事務所様から過去7年間の動物事故死のデータの提供をいただき、富良野沿線のロードキルマップの作成に着手しました。調査の結果、富良野地方ではエゾシカ、キタキツネ、エゾタヌキの事例が多く、集中地点の傾向、季節的な傾向を抽出することができ、こうした結果をマップに反映させました。このマップは、沿線の公共施設、観光施設、富良野周辺の道の駅などに配布しております。地域住民はもちろんのこと、観光客の皆様にはぜひご利用いただき、交通事故防止、野生動物の死亡事故減少にお役立てください。
カテゴリー: 活動
今夏、北海道教育大学釧路校・講師 富田俊明先生及び同大学岩見沢校の美術専攻学生を講師に迎え、山部小学校3年生12人を対象に富良野地域の自然環境とそこで育まれる多くの生命について学ぶことを目的としたワークショップを実施しました。ワークショップでは、十勝岳望岳台におけるナキウサギ観察会、ナキウサギマップの作成、ナキウサギへの手紙づくりなどに取り組みました。12人の子どもたちの豊かな発想や表現力に驚き、また生命について語る子どもたちの声を聞き、子どもたちとともに富良野の自然を学ぶワークショップとなりました。
本展はワークショップの成果展と位置づけ、子どもたちの豊かな発想力や感受性によって作成された作品等を展示するものです。子どもたちが感じたナキウサギと自然環境に対する想いを多くの市民と共有したいと願っています。
1.と き 平成22年11月27日~12月5日(日) *月曜休館
開館時間:10:00~17:00
2.と こ ろ 市立富良野図書館2階ホール(富良野市若松町5-10)
3.観 覧 料 無料
4.主 催 富良野市生涯学習センター、ナキウサギの鳴く里づくりプロジェクト協議会
5.協 力 花王・コミュニティミュージアム・プログラム、地球環境基金、富良野市立山部小学校、北海道教育大学釧路校芸術グループ講師 富田俊明、北海道教育大学岩見沢校芸術課程美術コース 秋元さなえ・井上愛美・落井美紗子・中村絵美・森本めぐみ(敬称略)
シンポジウム報告書はこちらからどうぞ
平成21年10月4日、トヨタ財団様の助成を受けて、富良野市において開催しましたシンポジウム「人と自然との関わりを考える~生物多様性を重視したまちづくり~」の報告書ができました。
このシンポジウムは野生動物への餌やり問題を主題に開催したもので、講師と演題は以下のとおりです。
□プロローグ
「富良野ガイドラインとその方向性について」小島 望(川口短期大学准教授)
□問題提起
「餌づけ行為がもたらす問題を考える」長谷川理(エコネットワーク研究員)
□講 演 Ⅰ(基調講演)
「餌づけ禁止条例の可能性と課題」畠山武道(上智大学大学院教授)
□講 演 Ⅱ
「自然に根ざした観光のココロとカタチ」伏島信治(伏島プランニングオフィス代表)
印刷部数が少ないため多くの方々に送付できませんでしたので、こちらに報告書本文をPDFファイルで公開致します。こちらからダウンロードしてご利用下さい。
2009年度総会を終えました
2月21日(土)午後から、2009年度定期総会とガイドライン作成に関する打合せを行いました。
総会では今年度事業を振り返り、活動において不足していた点など今後に向けての展開について、1時間半ほどかけて議論されました。特に教育普及に関する効果的な事業が展開できなかったことが指摘されました。2009年度は分布調査はもちろんのこと、リーフレットの作成、フォーラムの開催など大きな事業が目白押し。具体的な事業については、日程などの詳細が決定次第お知らせ致します。
また総会終了後、17:00までガイドラインに関する打合せも行いました。より具体的になってきましたし、今後期待がもてる方向に進みつつあると思います。
66作品という大変多くの応募をいただきました。ありがとうございます。 どれも力作で、会員一同頭を悩ませましたが、厳正な審査の結果、下記の3作品が受賞致しました。
優秀賞の2作品についても、機会があれば活用させていただきたいと思っています。
最優秀賞
札幌市 木曽様 |
優秀賞
恵庭市 阿部様 | 旭川市 前田様 |
富良野市生涯学習センターで山部地域文化発表会が開催されていました。
良い機会でしたので、すべての応募作品を展示しました。
5月11日(日)の早朝から会員12名で、十勝岳方面へ観察会に行きました。
登山道にたたずんで鳴声(ロングコール)を確認。さらにエゾイソツツジに無数 の食痕を見つけ、一部では溜糞を確認することもできました。約2時間ほどをこれらの観察に費やし、静寂の中連続音の数をカウントするなどして過ごしまし た。
観察会終了後は、次回調査訓練の内容などについて打合せを行い、調査候補地の選定や調査方法などが検討されました。具体的に詰めなければならないこと が盛りだくさん…といったところですが、次回以降からより具体的に動き出したいと考えています。
↓写真はエゾイソツツジについていたエゾナキウサギの食痕です。
3月30日(日)に十勝岳周辺の生息地を2名で下見してきました。会員のみの見学会を4月下旬ないしは5月上旬に予定しているため、現場を確認しようと行ったわけであります。
白銀荘からスキーで1050m付近までのぼり、ガレ場に到着。しかし…結局鳴声も姿も確認できませんでした。前日にうっすらと雪が積もっていたので、あるい は足跡をとも思ったのですが…。到着時間が若干遅かったからでしょうか…。今年は里と同じで、例年になく積雪が少ない状況でした。
このポイントには、4月中にもう一度訪れたいと考えています。
協議会の設立総会と勉強会を行いました
2月24日(日)に「ナキウサギの鳴く里づくりプロジェクト協議会」の設立総会を生涯学習センターで開催しました。
これに先立って、昨年 の12月に意見交換会を開催していましたが、総会にはこの折にご出席いただいた方に加えてさらに数名のご参加をいただき、会員20名での「船出」となりま した。少数ではありますが、自分たちのスキルアップを図りながら、徐々に仲間を増やしていけたらと考えています。
総会の中では、具体的な事業内容や調査地の選定、規約の文言、予算のあり方などについて、短い時間でしたが意見の交換がなされました。しかしまずは私たち会員同士がコミュニケーションを図ることが第一。最低でも月に1回は活動をすることになりました。
私たちの活動は環境教育、教育普及活動も目的の一つですので、市民の現地見学会などは夏か、遅くとも初秋には実施したいと考えております。詳細な日程・内容については、後日事業案内のページでご案内しますので、ぜひご参加下さい(ただし人数に制限がございます)。
また、後半勉強会では、川口短期大学講師の小島望さんから、エゾナキウサギに関する基礎知識をはじめ、調査方法などに関するレクチャーを受けました。春が待ち遠しくなり、早く現場へ行きたい!という会員もいたのではないでしょうか。